2/15/2018

NOAH X TRACKSMITH








  • noahclubhouse2/17(土)
    トラックスミス × ノア
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    私たちノアは昨年のNYマラソンでしたように、東京最大のマラソンに向けてボストン発のトラックスミスと再びタッグを組むことにしました。
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    今回のコレクションは東京限定アイテムとなりメンズ、ウィメンズ両方のランニングウェアを展開します。
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    今回のコレクション発売にあたりストアイベントとして、2/25-2/26の期間でノアクラブハウスでは東京マラソンに出場・完走されたランナーに向けて、完走時間をスタンプしたオリジナルポスターをプレゼントします。
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    また、ノアクラブハウスでは、渋谷エリアのランナーのサポートとしてストアをランニングステーションとして開放します。
    ぜひ、スタッフまでお声がけ下さい。


  • We're teaming up again with our friends @NoahClothing. This time on an exclusive 
  • collection celebrating the legacy of Japanese running culture and Japan's largest marathon. 
  • Limited edition men's and women's race kits are now available on Tracksmith.com and the 
  • full collaboration will drop February 17th online and @NoahClubhouse in Tokyo.



2/01/2018

King of street

藤原ヒロシ、“キング・オブ・ストリート”と呼ばれる彼の提案してきた“価値観”とは。

ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)をはじめ、さまざまなブランドとのコラボレーションで、その名を目にする藤原ヒロシ。国内外で“東京のキング・オブ・ストリート”と言われる男は、もはやストリートだけに収まらず、モード界からも注目を集める。彼のクリエイションは、どこから、どのように生まれるのか。
「モノを作るだけではなく、いつ、誰がやったのかということから生まれる空気感までを作りたい」
世界中のファッション関係者が「キング・オブ・ストリート」と彼のことを呼ぶ。その彼とは、もちろん、藤原ヒロシのことだ。80年代初期、パンクファッションに身を包んだティーンエージャーであった藤原は単身ロンドンに渡り、当時のシーンの中心人物たちと交友を持つようになる。そのなかには、セックス・ピストルズのプロデューサーであり、ヴィヴィアン・ウエストウッド(VIVIENNE WESTWOOD)のパートナーであったマルコム・マクラーレンもいた。そのマルコムの勧めにより、当時、生まれたばかりのヒップホップを体験するべく、今度はNYに旅立つ。

若くしてインターナショナルな知識と感覚を身につけた彼は、黎明期の東京のクラブシーンで世界水準のセンスとスキルを持ったDJとして活躍を始める。90年代に入ると、彼の独自のスタイルーーパンク、ヒップホップ、スケートボードといったカルチャーのそれぞれのコンテクストを理解し、さらに、それらをハイファッションやアートとも関連づけ昇華するーーが、雑誌などのメディアで頻繁に取り上げられ、数多くのフォロワーを生むことになる。藤原がメディアで紹介した服や靴は瞬く間にソールドアウトとなり、さらには、彼が注目した映画や本、格闘技の試合までもフォロワーたちは逃さずチェックした。そして、21世紀に入り、その絶大な影響力は次第に海外へと広がるようになる。

子どものころからヒップホップとインターネットに囲まれていた世代にとって、ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)ナイキ(NIKE)を同じテンションでラフに身につけ、メルセデスベンツとスケートボードを同じムードでクールに乗りこなす彼のスタイルは、リアリティのある憧れとして世界中で幅広く受け入れられるようになっていたのだ。そうした新しい世代のラグジュアリーなライフスタイルを先取りしていた藤原ヒロシの名は、現在ハイファッションの世界でもリスペクトとともに語られている。その藤原ヒロシとともに「THE POOL AOYAMA」「THE PARK・IN G GINZA」と二つのテンポラリーショップをプロデュースし、また、自身が関わるsacaiでも定期的に藤原とのコラボレーションを仕掛けるクリエイティブ・ディレクター、源馬大輔が藤原ヒロシにインタビューした。

ーー ヒロシさんはジャンルを超えて活躍していますが、そうしたスタイルを含めて影響を受けた人物はいますか?
10代の頃のパンクからの影響が大きくて、それ以降は特にないですね。

ーー そのパンクからの影響には、マルコム・マクラーレンから得たものもありましたか? 
それは、確かにあったと思います。ただ、マルコム本人に憧れるというより、あくまで、彼が作ってきたものや、やってきたことがイメージさせるものを意識していたということですが。

ーー マルコム・マクラーレンの持つプロデューサー感覚をヒロシさんから感じます。「THE POOL AOYAMA」や「THE PARK・ING GINZA」で仕事を一緒にしていたとき、ヒロシさん自身も含め、たくさん企画やアイデアを出し合って、そこからヒロシさんにジャッジしてもらったわけですが、その際、いつも何を基準に判断していたんですか? 

やっぱり、何をするにしても、まず、信頼できる人間関係がベースに必要ですよね。僕は自分ですべてをコントロールしようとするタイプではないので、僕のアイデアを信頼できる人に任せたり、あるいは、そのセンスを信頼できる人からのアイデアであれば、それを信じて進めるということが多いですね。
「ある種の言い訳に僕を利用してもらえればいい」
Photos: Shutterstock / AFLO (Takashi Murakami), VogueRunway.com (Chitose Abe), kyodonews / amanaimages (Yuki), Getty Images (rest of people)
ーー sacaiでコラボレーションさせていただいたとき、最初にヒロシさんから「ブートレグ」を作りたいと言われて。僕ら結構、困ったんですけど(笑)、ああいう発想は、どこから来るんでしょう?
青山にsacaiのショップがオープンしたときのポップアップ用に作ったのが最初ですよね。そのときに考えたのは、sacaiって、ロゴの入ったアイテムを作っていなかったじゃないですか。だから、sacaiのロゴの入ったTシャツを偽物っぽく作って、それを自分たちで着るというのはどうだろうと。ボディも既製品のものにして。それで、僕のほうで既製品のボディでサンプルを勝手に作って進めていたんですが、それを持っていって阿部(千登勢)さんに見せたら、「うちのボディで作ります」って言われたんですけどね(笑)。

ーー あのあと、他のブランドでもあえてブートレグ的なアイテムを出し始めましたね。
ただ、僕の場合は、僕がやることの意味っていうのを考えていて、例えば、sacaiとのコラボレーションも、阿部さんが誰かに「あんなもの作って、どうしたの?」って言われたら、「あれは、本当はやりたくなかったけれど、ヒロシさんが......」って、言い訳に僕を使ってもらって(笑)、逆に「面白いもの作ったね」って褒められたら、「そうでしょ!」って阿部さんに言ってもらえるようにしたというか。そんなふうに、ある種の言い訳に僕を利用してもらえればいい。
「ギャップや違和感を感じさせるものが好き」

ーー ヒロシさんのクリエイションは、基本的に誰かとのコラボレーションという形ですね。その中には、ア コールド ウォールのような若い新進気鋭のブランドからナイキ(NIKE)ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)のような大きな企業まであります。その際、コラボレーションのやり方にそれぞれどんな違いがありますか?
僕の中では、あまり違いはないんですよね。大きな企業が相手でも結局、「人」だから。企業や組織を丸ごと相手にするのではなくて、その中の誰とやるか、どんな人たちとやるか、というのがポイントなので。だから、ナイキ(NIKE)のことなら僕に聞けばなんでもわかると思っている人もいるけれど、全くそんなことはなくて、僕自身が関わっていること以外は、ほとんど知らないんですよ(笑)。ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)にしたって、デザイナーのキム(・ジョーンズ)からのオファーだから受けたわけだし、そもそも、キム以外には、僕にルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)のコレクションを作らせようという人もいないでしょう。

ーー では、ラグジュアリーとストリートとの違いをどう考えていますか? あるいは、そこにも違いはないとお考えですか?
ラグジュアリーと呼ばれるものの中でも少し変わったものが好きなんですよ。高価なのに、ちっともそう見えない安っぽいものとか(笑)。逆にストリートであってもラグジュアリーのようにとても凝ったものが気になるし。そういう一般的なカテゴライズからはみ出ているものに興味があるという点では同じ見方をしているかもしれませんね。セックス・ピストルズの曲の一節に“We're the flowers in the dustbin”というのがあって、僕はとても好きなんですけれど、その「ゴミ箱の中の花」というたとえのように、周りとのギャップや違和感を感じさせるものが好きだし、僕自身もそういうことを意識しています。言い方を換えれば、簡単にカテゴライズされたくないんです。例えば、ストリート、スニーカー、ヒップホップというようなジャンルや、そのコミュニティに入りきってしまうのは、僕には居心地が悪い。そもそもヒップホップにしても、その本来の面白さは、あらゆる音楽をミックスするところにあったわけだから。
ーー そして、ミックスすることによって、そこから新しい価値を作り出すことが大事なんですね。
そう。あと、僕が若い頃にDJで60年代のソウルミュージックをかけると、僕よりずっと年上の人に「自分も昔かけていたよ」って、よく言われたりしたんですが、その人がリアルタイムで聴いていたジェームス・ブラウンと僕がそのときにかけていたジェームス・ブラウンでは、同じ曲でも意味が違うんですよ。いつ、誰がやるかっていうことで意味や価値が変わる。逆に言えば、マルコムや僕が80年代にかぶっていたバッファローハットを今、僕ではなくファレル(・ウィリアムス)がかぶることで新しい価値が生まれる。そんなふうにただ、モノを作るだけではなくて、いつ、誰がやったのかということから生まれる空気感までを作っていきたいんです。