まずは、Tenement Museumがどんな博物館なのかご紹介します。
Tenement Museumは、New YorkのLower East Sideにある移民たちの住居跡をそのまま活用した博物館です。
一般的な博物館のように展示室に作品が並んでいるのではなく、実際に移民たちが暮らしていた家の中を訪れるツアースタイルなのが大きな特徴。
1860年代から1980年代にかけてニューヨークで暮らしていた、さまざまな背景を持つ家族の部屋が残されており、ガイドさんが当時の歴史や時代背景を交えながら案内してくれます。
今回は、11ある部屋の中でも最も古い、ドイツ人家族・シュナイダー家のツアーに参加しました!
シュナイダー家は夫妻で暮らしており、1864年から1886年まで97 Orchard Streetで「シュナイダーズ・ラガービア・サルーン」を経営していました。いわばビール酒場ですね。
ただ、ここは単なる酒場ではなく、情報交換や仕事探し、コミュニティ形成の場としても機能しており、社交クラブでありながら労働者のセーフスペースでもあったそうです。
中に入るとこんな雰囲気。
実際に使われていたビール容器やグラス(模型)が置かれています。
中でも印象的だったのが、このビール容器は本物だということ。これにビールを入れ、近隣住民が買いに来ていたそうです。
当時は水の衛生状態が良くなかったため、品質の良いドイツビールが好まれ、子ども向けにはアルコール度数の低いビールも提供されていたとか。水事情の厳しさが想像できますね…。
このサルーンは地下に位置しているため、全体的に暗く、ひんやりとした空気が漂っていました。
夏の暑い時期、労働者たちにとってはまさに安らぎの場所だったことが伝わってきます。
さらに暗い理由として、警察の目を避けるためという背景もありました。
ニューヨークには「Blue Laws(日曜禁酒法)」があり、その法律をかいくぐるために、あえて外から中が見えないよう暗くしていたそうです。窓はあるものの、外からは見えない工夫がされていたとか。
食事はキャロライン夫人が作った料理が振る舞われ、住民たちの憩いの場になっていたことも伺えます。
サルーンの奥にはダイニング、キッチン、寝室があり、生活空間と仕事場が一体となった暮らしから、彼らがどのように日々を生き抜いていたのかを知ることができました。
私自身は、ニューヨークに住んでいる感覚だと「思ったより狭くないかも?」と感じましたが、ツアーに参加していた他州からの観光客の方は「とても狭くて大変そう」と話していて、感じ方の違いも面白かったです。
寝室の奥はバックヤードにつながっており、この建物に住むすべての住民が使っていたトイレがありました。
トイレに近いという理由で地下の部屋は人気だったそうで、今とは真逆の価値観にびっくり。
さらに左奥には展示スペースがあり、かつてはオークション会場として使われていたとのこと。
ここではLower East Sideの歴史を、実際に使われていたカクテルシェイカーやマイク、財布などを通して体感できます。
驚くことに、現在も「Essex Market」という名前の商業施設が残っており、当時の歴史が今へとつながっていることを実感できます。
ミュージアムの1階には、お土産やニューヨークにまつわる本が並んでいて、ちょっと変わったニューヨークのお土産としてもおすすめ。
ニューヨークにはたくさんの博物館がありますが、歴史やLower East Sideが好きな方には特におすすめの場所です。気になる方はぜひ訪れてみてください!
来月のField Noteもお楽しみに!
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