10/01/2025

Field Note #1 Museum of the City of New York

このブログを読んでくださっている皆さん!!!

ニューヨークの街の歴史について、改めて考えたことはありますか?

きっと多くの人が、映画を通してニューヨークの姿を思い浮かべるのではないでしょうか。タイムズスクエアのまばゆいネオン、セントラルパークの豊かな緑、摩天楼を背景にした印象的なワンシーン…。スクリーンの中のニューヨークは、時に華やかに、時に荒々しく、そして時に理想化されて描かれてきました。

ちなみに、私のお気に入りのニューヨークの映画シーンは、『ティファニーで朝食を』でオードリー・ヘプバーンがティファニー本店の前でクロワッサンをかじるあの名場面です。
皆さんはどんなニューヨークのシーンが心に残っていますか?


私たちは、「Field Note」という社内プロジェクトを立ち上げました。Field Note は、ニューヨークに根ざした文化・アートを通じて、新しい価値や視点を見出し、それを事業やブランド表現へと還元することを目的とする社内プロジェクトです。

この活動を通じて、ニューヨークの文化やアート、日常の物語にもっと深く触れ、その気づきや学びをこのブログを読んでくださる皆さまと共有していきたいと思っています

その第一弾として訪れたのが、Museum of the City of New York(ニューヨーク市立博物館) の企画展「You Are Here」。(詳細はここから確認できます。)この美術館はゴシップガールの撮影場所にもなっています。ニューヨークに暮らす日本人として、まずはこの街の歴史をミュージアムを通じて体感することが大切だと思い、この場所に訪れてみました。





展示室に入ると圧巻。16面の巨大スクリーンに映し出されるのは、過去100年にわたる映画の名シーン。ハリウッドの大作からインディーズ映画、ドキュメンタリーや実験映像まで、あらゆる作品が並びます。『ホーム・アローン』や『プラダを着た悪魔』、『エルフ』、『ゴッドファーザー』などの名作も登場し、思わず「あ、このシーン知ってる!」と声を上げたくなるほど。映画の中で何度も描かれてきたニューヨークが、祝福され、皮肉られ、再構築されてきたことを改めて実感しました。

この、ブルックリンブリッジのシーンとかも映し出されていました!



プラザホテルはたくさん映画撮影に使われてるのでニューヨークといえばプラザホテルっていう人も多いと思います。

このような感じでスクリーンにさまざまなニューヨークのシーンが映し出されていました。見応えがあり、思わずスクリーンに釘付けになってしまいました。インスタでは動画を載せてる予定なのでぜひチェックしてみてください。(弊社のインスタはここからcheck)




この美術館の魅力は「You Are Here」だけにとどまりません。実はまだそこまで知られていないのか、訪れたときは驚くほどゆったり見て回ることができました。

なかでも印象的だったのが、「Above Ground」展。


1970年代のニューヨークのストリートから生まれたグラフィティ文化を掘り下げた展示です。当時のニューヨークは財政危機や犯罪率の高さから「危険な街」と言われていましたが、だからこそ若者たちは街中をキャンバスにし、自分の存在を強烈に刻み込もうとしました。地下鉄の車両やビルの壁にスプレーで描かれた文字やイラストは、ただの落書きではなく、「ここに自分がいる」という叫びだったのです。


Rammellzee, Atomic Note, 1986


Lee Quiñones, Breakfast at Baychester, c. 1980


Stanley (Stan 153) Pratt, Stan 153, 1985.

展示には、Rammellzee のカラフルで爆発的な作品、Lee Quiñones が描いたリアルな地下鉄アート、Stan 153 のコミック的でストーリーを感じさせる作品など、伝説的なアーティストたちの作品が並んでいます。




 Crash, Broken Wings, 1990

Broken Wings は、ブロンクス出身で今や伝説的存在となったアーティスト John Crash Matosによって1990年に制作されました。スプレーペイント、アクリル、木材をキャンバスに組み合わせて表現されています。



Futura, Untitled, 1983.

常に進化を続ける先駆的グラフィティアーティスト、Futura によるUntitledは、アクリルとスプレーペイントをキャンバスに使用した作品。


彼らは当初違法のレッテルを貼られていたにもかかわらず、その才能と情熱が評価され、やがて美術館やギャラリーで作品を発表するようになりました。ストリートからハイアートへ、その過程自体がニューヨークという街のダイナミズムを体現しています。

面白いのは、この展示のスポンサーがユニクロUSAだということ。日本発のファッションブランドが、ニューヨークのストリート文化を支える側にまわるなんて、ちょっと胸が熱くなりませんか?


見るだけではなく、実際にグラフィティ文字を書いてみる体験コーナーも用意されていました。スクリーンにはグラフィティの文字の描き方が映像で流れ、そのステップを参考にしながら、白い紙に自分なりの文字を描けるようになっています。
私たちも思わず挑戦してしまい、完成した紙は壁に飾ることができました。当時の若者たちがどんな気持ちで壁にスプレーを吹き付けていたのか、ほんの少し体感できた気がしました。


ちなみに、このコレクションの多くはアーティスト Martin Wong が30年以上前に寄贈したもので、The New York Times から「必見の展示」と評されているそうです。

ちなみに、皆さんはMartin Wongを知ってますか?


Martin Wong (1946–1999) は、中国系アメリカ人の画家で、ニューヨーク・ロウアーイーストサイドのアートシーンで活躍しました。彼はストリートアートやグラフィティの黎明期からその価値を見抜き、当時まだ「落書き」としか見なされていなかった作品を積極的に収集。結果的に、今では貴重な文化的アーカイブとなりました。

彼自身も画家として、都市の建物や壁、消防士やラテン系移民をモチーフにした独特の作品を描き、ニューヨークの「見えない歴史」を表現し続けました。彼のまなざしがなければ、ストリートアートの多くは失われていたかもしれません。

グラフィティは今でこそストリートファッションや広告デザインにまで影響を与えていますが、こうして原点を知ると「ただの落書き」ではなく、世界のカルチャーを動かしたパワーだったんだと実感できます。

映画に描かれたニューヨーク、ストリートから生まれたアート、そしてそれを支えた人々Museum of the City of New York は、この街の過去と今をつなぐ場所でした。

皆さんにとってニューヨークらしい瞬間とは何でしょうか?

ぜひコメントで教えていただけたら嬉しいです!

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