我々日本人にとって、漫画は子どものころから身近にある日常の文化のひとつ。
でも、その漫画が世界ではどれほど高く評価され、愛されているのかを実感する機会は、意外と少ないかもしれません。
そんな日本発のカルチャーが、アートとして、そして体験として世界に発信されているのが ここ、ニューヨーク・ソーホーの一角に、突如現れた「KODANSHA HOUSE」。
講談社による没入型ポップアップイベント「KODANSHA HOUSE」は10月4日から19日までニューヨークのSoHoにて開催されています。マンガがアートやカルチャーとしてどのように世界に浸透しているのか、NYのど真ん中で感じてきました。
「AKIRA」「美少女戦士セーラームーン」「攻殻機動隊」「進撃の巨人」「ブルーロック」など
日本を代表する名作の多くを生み出してきた講談社。その創造力と文化的背景を、展示や演出を通して直接感じることができます。
壁に囲まれた街並みが細部まで再現されていて、まるで物語の世界に迷い込んだような没入感。来場者は巨人になれる気分を味わえ、夢中で写真を撮る姿が印象的でした。
攻殻機動隊 × HERALBONY:多様性が描く未来のアート
その奥には、攻殻機動隊 SAC_2045とHERALBONYのコラボ展示。
HERALBONY(ヘラルボニー)とは、「異彩を、放て。」をミッションに掲げ、福祉施設に所属する障害のあるアーティストたちとともに、アートを通して社会に新しい価値観を提示する岩手県発のアートライフスタイルブランドです。独創的な線や色彩で描かれる作品は、国内外で高く評価され、ファッションや建築、プロダクトなど多様な領域でコラボレーションを展開しています。
今回の展示では、講談社の10色あるコーポレートカラーそれぞれに1人のアーティストをフィーチャーし、そのアートで『攻殻機動隊 SAC_2045』のキャラクター「タチコマ」を彩りました。障害のあるアーティストたちの感性が吹き込まれたタチコマは、どれも個性豊かで、同じキャラクターでありながらまったく異なる表情を見せています。無機質な金属ボディに、鮮やかな筆致や柔らかな色彩が加わることで、まるで命を宿したような存在感が生まれています。
この展示は、多様性と創造性をテーマにしたHERALBONYの理念と、攻殻機動隊が描く未来社会のビジョンが交差する場所でもあります。アートとしての完成度の高さだけでなく、テクノロジーと人間、個性と共生という現代的なテーマを体感できる空間として、訪れる人々の足を自然と止めていました。
ブルーロック
トンネル状の背景に、各キャラクターがフロー状態に入った瞬間の専用カラーが投影されます。来場者は天井から吊り下げられたボールを使って推しキャラのシュートを再現。
まるで自分自身がブルーロックの一員になったような没入体験が楽しめます。
『読む、語る、くつろぐ KODANSHA HOUSEの楽しみ方。』
今回、森下Suu先生とご一緒する機会があり、KODANSHA HOUSEを訪問しながら、NYという街で日本の漫画がどのように受け入れられているのかを間近で感じる貴重な時間となりました。
展示では『A Sign of Affection(ゆびさきと恋々)』の英語版が紹介され、とても印象的でした。
静かな恋愛の世界を描くこの作品が、喧騒の街・ニューヨークで紹介されていることに、言葉や国境を越えて、漫画が言語を超えて心をつなぐ存在であることを改めて実感させてくれました。
静かな恋愛の世界を描くこの作品が、喧騒の街・ニューヨークで紹介されていることに、言葉や国境を越えて、漫画が言語を超えて心をつなぐ存在であることを改めて実感させてくれました。
もちろん、A Sign of Affection (ゆびさきと恋々)も読むことができます!
さらに、地下へ降りると、壁一面に貼られた昭和レトロな漫画ポスターが目に飛び込んできます。光るネオンがフォトスポットのように映え、懐かしさと新しさが共存する不思議な空間でした。ここでは来場者が自由にくつろぎ、作品の余韻に浸ることができます。
Kodansha House は、漫画を読むものから体験するものに変える新しい空間。
アートギャラリーのようで、テーマパークのようでもあり、
そしてなにより日本の創造力が世界を動かしていることを誇らしく思える場所でした。
そしてなにより日本の創造力が世界を動かしていることを誇らしく思える場所でした。
漫画は、もはや日本のサブカルチャーではなく、世界共通のカルチャーと言える存在へ。
その変化をリアルに感じられる場所が、Kodansha Houseでした。皆さんもぜひ、足を運んでみてください。
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